英語、スウェーデン語
グロービッシュのススメ6 リスニングの学び方
Friday, September 10th, 2010
英語を話す上で、いちばん初めにつけるべき力はリスニングかもしれません。聞き取ることできなければ話すこともできません。これは子供が言葉を学ぶのと全く同じプロセスです。子供は大人たちが話している言葉を身体で理解していき、そのうち大人のまねをしながら話すことを覚えます。大人も同じように英語のリスニングを身につけるべきなのですが、あれこれ考えすぎてしまいなかなか身に付きません。また、英語と日本語は音やリズムが全く異なりますので、聞き取れるまでに少々時間がかかります。
カタカナ音がリスニングの妨げになる場合があります。カタカナ音で理解していると、英語の発音を全く聞き取れません。私が最も聞き取れなかった発音は「マリリン・モンロー、キャメル、三宅一生(イッセイ・ミヤケ)」です。マリリン・モンローは「メウリンマンウォウ」、キャメルは「カモ」、イッセイ・ミヤケは「イシミヤキ」と聞こえました。カタカナ音と全く異なる音で、何度聞いても聞き取れなかった言葉です。ネイティブが揃ってそう発音するので、音を理解して聞き取れるようになりました。
最も確実なリスニングは英語が母国語であるネイティブの人が話している英語を聞くことですが、日本に暮らしている場合はなかなか難しいものです。そこで私がいちばんお世話になったのは、NHKのラジオ英語講座です。ラジオ講座はレベルに合わせて様々なコースがあります。テキストは購入せず、ラジオやウェブの音声のみを聞くようにします。日本語解説が多いのですが、それも併せて全て聞き取りのみに集中してみて下さい。字を見ない、ということがこの練習でいちばん大切なことです。
英語は日本語のように、一句一句はっきりと発音しません。日本語は高低の音のつながりですが、英語は強弱がはっきりしてリズムがあります。前置詞は聞き取りが難しく、リエゾンという前の音と混ざって音が変わることが多いので、どのように音が変わるかを知らないと聞き取れません。まずは短いフレーズから聞き取る練習をすることをおススメします。意味はともあれ、聞き取ることに集中して下さい。また、100%聞き取る必要はありません。60%くらい聞き取れれば、だいたいの意味は推測できます。画用紙に色を入れていくように、聞き取れるフレーズ(色)を入れていく感じです。初めは真っ白ですが、そのうち緑が入れられるようになり、赤が入れられるようになり、黄色が、青が、と入れられる色が増えていく感覚です。聞き取れる単語の数が増えれば、聞き取る力も伸びて行きます。同じ音を何度も聞き、脳に音を植え付けます。リスニングは考えるより、身体で覚えることが大切です。
グロービッシュでビジネスディナー
Sunday, August 15th, 2010最近のブログはすっかりグロービッシュ一色となってしまいましたが、今回もグロービッシュのビジネスディナーについてです。インテリアフェアが開催されている現在、いろいろなビジネスミーティングが入ります。先日はビジネスディナーがありました。8月の恒例といえばザリガニパーティですが、今回はザリガニでなく海老のマリネとマグロのたたきサラダをケータリングしたディナーとなりました。8月中旬にしては汗ばむ気候で、さっぱりとした食事と冷たいワインがピッタリでした。外食よりもお手頃でなかなかいいアイデアでした。
スウェーデン人の英語は本当に分かりやすく、自分の英語力が上がった気がします。私の英語も完璧なグロービッシュで、簡単な単語しか使いません(使えません)。相手も日本人に分かりやすく、できるだけ優しい英語を話してくれます。今回は、例えば叔母は”aunt”ですが、あえて”my mothers sister”と明確に話してくれました。お互いに外国語であるため、ゆっくりと相手に分かるように話すのが前提になっています。それでも言いたいことや冗談も通じ合えます。ビジネス契約をしたのにお金を払わないスペイン人や、コピー商品を国際イベントに出展して会場閉鎖になった中国人が話のネタになりました。スウェーデン人も日本人も相手を思いやる気持ちがあるので、ほとんど違和感を感じません。お互いに相手を尊重し、分かり合いたいという気持ちがあれば、多少ブロークンでも通じ合えるのです。しかしながら、とても聞き取りやすくて正確なスウェーデン人のグロービッシュはぜひ見習いたいものです。
グロービッシュのススメ5 子供の英語教育
Friday, August 13th, 2010子供に英語を学ばせる場合、何歳から学べばいいのでしょうか。早期教育といいますが、母国語である日本語が完全に習得できていない段階で英語を教えるリスクや難しさが指摘されています。
日本で生まれ育った人は、気がついたら日本語が身に付いていた、という人がほとんどだと思います。母国語とはそういうものです。しかし、言語としての日本語はかなり難しいもので、まして外国語として日本語を学ぶことはかなり困難です。特に漢字やひらがなカタカナのある読み書きは、英語などのアルファベット言語に比べて相当複雑です。日本人の識字率の高さは世界でもかなり上位であり、これは日本の教育レベルが高いことを意味しています。日本語はほっといて身に付くものではなく、日本語教育の賜物なのです。
つまり、母国語である日本語を完璧に身につけることが、日本人として最も大切なことです。「子供には将来海外でも生きていけるように、日本語よりも英語を身につけさせたい」というのは、親の勝手な欲望です。母国語を1つに決めてアイデンティティを確立することが人間形成の上で非常に大切なことです。日本に暮らしながら、日本の学校でなく、インターナショナルスクールや中国語スクールに通わせている人もいると聞きますが、子供を将来どのようにしたいのでしょうか。『英語を子どもに教えるな』という本は、子供を日本語も英語も中途半端なセミリンガルにしまう危険性を警告しています。
しかしながら、発音の訓練は10歳ごろまでに行うのがおススメです。幼いほど舌の筋肉が柔らかく、どんな発音でも正確にまねることができますが、10歳を過ぎるころから舌の筋肉が固まってきて、発音したことのない音を正確にまねることが難しくなってきます。
子供をネイティブ並みに発音させたいと思っている方は、10歳までにネイティブの発音をたくさん聞かせ、同じように発音する訓練をさせます。この時、文法や意味は関係ありません。とにかく生の英語の発音をまねさせます。日本語と英語では発音する時に使う筋肉が全く違います。英語が発音できる筋肉がついた舌は、成長した後でも残っているので、後から英語を学んでもネイティブ並みの発音ができるようになります。もちろんこれは個人差がありますが、子供の頃にたくさん英語を発音したことは、後々とても役に立ちます。
母国語である日本語が完璧にできてこそ、グロービッシュを使う意味があります。日本語で理解しているさまざまなことを、日本語以外を話す人たちと意思疎通するためのツールがグロービッシュです。
スイスで4カ国語表示に遭遇
Wednesday, August 11th, 2010夏季休暇にスイスに行ってきました。過ごした場所はイタリアの国境近くで、ここではドイツ語とイタリア語が話されていました。チューリッヒではそれにフランス語と英語が加わり、レストランのメニューや案内が4カ国語で表示されていました。スイス航空ではスペイン語が加わり5カ国語表示でした。
こういった国に暮らしていると、セミリンガルの人も多いのではないかと思います。セミリンガルとは、早期から2言語以上の環境に暮らしたため数カ国語が操れますが、母国語とその他の言語において年齢に応じたレベルに達していない場合に使われます。ただしヨーロッパの言語は似通っているので、どの言語もほぼ完璧に操れる人も多いかもしれません。しかし圧倒的モノリンガルの日本ではセミリンガルは深刻な問題になります。長いこと海外に暮らした帰国子女や、両親が異なる国籍を持つ子供がセミリンガルになる場合があるようです。セミリンガルは会話は流暢に操れますが、読み書きが伴わない場合が多いようです。特に日本語のような読み書きが非常に難しい言語では、セミリンガルな大人になってしまうと日本に暮らしづらくなるでしょう。
日本では英語の早期教育が盛んのようですが、早くから子供に英語ばかり習わせ日本語を疎かにしていると、セミリンガルになる恐れがあります。日本の学校に通わせていればまず問題ありませんが、日本でインターナショナルスクールに通わせている場合は、子供がセミリンガルになる危険性があります。日本語は習得するのが困難な言語なので、日本に暮らす場合は、まず日本語教育を重視させることが大切ですね。日本語はとても神秘的で美しい言語です。
日本語の読み書きができるって、とってもすごいことなんです。アルファベットはせいせい30文字程度のところ、ひらがなカタカナに加えて2000字もの常用漢字を操れる日本人が優秀でないわけがありません。英語なんてヘでもないですよ、日本人が本気を出せば。
グロービッシュのススメ4 英文法を英語で学ぶ
Tuesday, August 3rd, 2010前回の名詞のお話しの追加ですが、1つの名詞でも数えられる、数えられないの両方の使い方のできる名詞があります。例えば”chicken”です。数えられる使い方として”a chicken”というと、1匹の鶏を意味します。数えられない使い方としての “chicken”は鶏肉の意味となります。もし「鶏肉を買う」というのに”I will buy a chicken”と言ってしまうと、1匹の、しかも生きた鶏を買う、という意味にとらえられます。食べるのではなく飼うの?と思われるかもしれません。この感覚がネイティブと日本人の違いです。もちろんネイティブの方もいじわるではないので、通常の状態では”a chicken”と言ったところで鶏肉と理解してくれますが、ちょっと耳障りが悪いのです。
間違った英語の使い方をすると、相手が理解しづらい場合がありますので、その点は注意が必要です。そういう意味でも、その名詞が数えられるか数えられないかをいつも意識しておくことは、正しい英語の近道となります。
さて、グロービッシュの単語や語彙力は、普通に中学を卒業した人でしたら、誰でも身に付いています。それをいかに使いこなすかがポイントです。すでに頭の引き出しにしまわれていますので、うまく引き出すことがグロービッシュを話すポイントとなります。このことは語学学校勤務の時に生徒さんによくお話ししたものです。「あなたの頭の中にはすでに充分な英語の知識があるので、それをコミュニケーションできるように助けるのが私たちの仕事です。」
実は高校英語や大学受験の英語学習が、このことを大きく妨げていました。時々高校生の宿題を見てあげたことがありますが、古文のような英文を日本語訳せよとか、複雑な文章を使って、この目的語はどこにかかっているかなど、文法を難しげに説明させるものばかりでした。自分も含め、高校の英語学習から英語嫌いになる人が多いのではないでしょうか。とにかく複雑になりすぎるのです。その上日本語での説明を求めるので、なおさら訳が分からなくなります。日本人が英語を学ぶ上でのいちばんの弊害は、日本語で英文法を学ぶことです。仮定法過去完了、複合関係代名詞など、聞くだけで頭が痛くなりそうです。実はこれ、英語のみで学ぶ方がずっと簡単なのです。もちろん英文法用語も英語で理解する方が、ずっとずっとシンプルで分かりやすいのです。英文で説明された英文法のテキストを見た時、まさしく目からウロコがおちました。
中学で習った英文法を、英語の説明で復習してみて下さい。新しい発見がいろいろあると思います。English Grammar Lessonsのサイトはいかがでしょうか。中学レベルの文法用語を英語で説明していますので、気になる文法から始めてみて下さい。ちなみにPresent continuousは現在進行形、Present perfectは現在完了形ですが、日本語の英文法用語を考えないで英語のみで理解してみて下さい。
グロービッシュのススメ3 英英辞書を使う
Saturday, July 31st, 2010
英語を英語で考える「英語脳」になるために、辞書選びは大切です。今まで使っていた英和や和英からちょっと離れ、英英辞書を使ってみて下さい。いきなりそれは、と思うかもしれませんが、その思いを断たないことには英語が上達しません。ほとんど話せないという人は、子供用の英英辞書がおすすめです。中身を見ていないので何とも言えませんが、My Oxford Reading Tree Dictionaryは絵が豊富そうで、英語が苦手な方にでも手に取りやすいのではないでしょうか。私が英語学習中に勧められたのはLongmanでした。その後いろいろ使ってみて最終的に気に入っているのはCobuildです。
私がまだつたない英語でネイティブ講師から英語を習っている時、テキストに載っている女の子のリボンを指して”What is this?”と聞かれ、”This is ribbon.”と答えたところ、思いっきり”NO!”と言われました。何が違っているのか分からず、ribbon以外の単語をいくつか言ってみましたが、講師は首を横にふるだけです。講師は別の質問をしました。持っているペンを指して、”What is this?”と聞かれ、”This is a pen.”と答えると、”That’s right!!”と満面の笑顔で答えました。そうです。”a”がなかっただけのことで、”NO”と拒絶されたのです。”This is a pen.”は、たまたまそのフレーズで覚えていたのですが、それまで無意識だった”a”の大切さをこの時思い知らされました。
英英辞書を使って名詞を調べてみて下さい。日本人が名詞を学ぶ上で意識するべきことは、その単語が数えられるか数えられないかということです。これは日本語にはない概念です。英語には日本語にはない概念がたくさんありますので、日本語で考えているうちは上達できないのです。例えば、boy, girl, book, pen,は数えられる名詞です。従って、単数では a boy, a girl, a book, a pen,のように単語の前に必ずaが付き、複数形では boys, girls, books, pens,のように単語にsが付きます。一方、paper, water, coffee, sugar,は数えられない名詞です。 従って単数も複数も同じ形です。これは当たり前のように習ったかもしれませんが、英語を学ぶ上でかなり重要な概念です。ここをあいまいに覚えていると、正しい英語は身に付きません。そういった点は英和辞書では読み取れないので、英英辞書をおススメめするわけです。英英辞書には、名詞の解説に必ず数えられるか数えられないか(count/uncount)が記載されているはずです。Cobuildはその点がかなり明確だったので、この辞書を選んだといっても過言ではありません。
こうやって日本語にない概念の壁にぶつかりつつ、少しずつ英語脳が身に付いてきます。グロービッシュを身につけるためには、小さくてもかまわないので、英語だけで考えられる英語脳を作り出して行くことが大切です。
グロービッシュのススメ2 英語を英語で理解する
Wednesday, July 28th, 2010元語学学校勤務で英語教育の仕事に携わりたいとずっと思っていた気持ちが、グロービッシュという言葉に出会ってからよみがえってきました。英語を学びたいけどどうしたらいいのか分からない、という方は、ぜひおつきあい下さい。語学学校での経験と、英語とスウェーデン語を現地で学んで得た語学取得法をお伝えしたいと思います。
外国語を学ぶのにはコツがあります。まず理解していただきたいのは、日本人が英語を習得することは簡単ではない、ということです。どうして簡単ではないのか、それは、日本語と英語が全く異なる構造の言語だからです。英語を日本語に訳しているうちは、絶対に上達しません。日本語を介さずに英語のみで考えられるようになって初めて上達しだします。私がこのことに気づいたのは、本格的に英語を学び始めた20代の時でした。家庭の事情でアメリカに暮らすことになり、現地の外国人英語コースESLに通いました。先生はアメリカ人で使う言葉ももちろん英語のみ。英語が分からないのにどうやって理解するのか、とかなり不安でした。しかし先生はジェスチャーや絵を使いながら簡単な単語を使って教えてくれるので、これがけっこう分かるのです。当然ながら、この中に日本語は全く介しません。
学生のころ、帰国子女の友人が「英語は英語で考えればいいんだよ。」と言っていたのですが、意味不明でした。しかし、その意味がやっと理解できたのです。つまり、日本語を介さず、英語の意味をそのまま理解するということです。私たちは簡単な英語だったら日常的に理解できています。例えばドア、テーブル、スプーン、バッグ。これらは全て英語ですが、扉、机、さじ、袋、などと日本語に訳さなくても意味を知っています。このように、英語で直に意味が分かる単語を増やしていくのです。ESL初級コースでは、とにかく絵と英単語とを照らし合わせて単語や語彙を覚えたものです。絵辞書Picture Dictionaryはとても役に立ちました。音声がついていれば尚いいですね。ネットをさがすとサイトやYouTubeでもいろいろ見つかります。絵辞書を見ているうちに分かる単語や語彙が増えて、少しずつ理解できる文が増えてきます。その積み重ねが語学学習なのです。
グロービッシュのススメ1
Saturday, July 24th, 2010先日のNewsweek日本語版のテーマがグロービッシュでした。グローバル・イングリッシュを縮めてグロービッシュ。これこそ私が長いこと追い求めていた英語です。インターナショナル英語、グローバル英語などと呼んでいましたが、グロービッシュという言葉としてすでに一般的なのですね。
グロービッシュこそ、まさしく日本人が習うべき英語です。外国語としての英語は、母国語として英語を話す人たちとは異なる英語です。もっと基本的で簡単で、誰にでも分かりやすいものです。アメリカ英語でもイギリス英語でもなく、外国語としての英語です。母国語としての英語はどうしてもクセが出てしまいます。母国語なので、つい早口になったり分かりづらい表現をしてしまうものです。その点外国人が話す英語は、自分が分かる程度であり、相手にも分かってもらう英語なので、非常にシンプルです。日本の中学で習う単語や文法で充分なのです。
このグロービッシュが得意な人たちがいます。それが北欧の人たちです。第2言語として英語を話す国はたくさんありますが、インドなどはどうしてもクセのある発音が気になります。その点北欧人の話す英語はとてもきれいな発音で分かりやすく、ハッキリと聞き取れます。北欧では自分の英語力がアップした気持ちになります。
日本にいた頃は語学学校に勤務していたこともあり、語学習得についてはいろいろと学ばされました。英語を習うならネイティブという信仰がありましたが、今は自信を持ってグロービッシュを話す北欧人に習うことをおすすめします。英語ペラペラにもレベルがあります。成人するまで日本で育った人が、ネイティブ並みにペラペラ話すことは困難です。しかしネイティブ並みに話す必要など全くありません。日本人は相手が聞き取れる程度の日本語英語を話せばいいだけのことです。ペラくらいで充分なのです。英語はあくまでもツール、使えてナンボです。
ヨーロッパでも英語の話せる人たちと話せない人たちがいます。北欧やオランダ人は英語が上手なのに、スペインやイタリア人はどうしてあまり上手じゃないのだろうと不思議でしたが、上手な国には共通点がありました。テレビで放映される英語放送が吹き替えでなく字幕なのです。小さなころから英語が自然に耳に入ってくる環境のおかげなのです。
言語鎖国の日本を懸念し、社内公用語を英語にしようと打ち出した楽天。これからの日本でも英語はどうしても避けて通れないでしょう。勤勉で優秀な日本人がどうして英語だけは苦手なのか、教育と環境のせいなのでしょうね。テレビ放送に字幕の英語を増やすだけでもずいぶん違ってくるのではないでしょうか。ぜひスウェーデンに英語を学びに来て下さい。
