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ストックホルム在住のデザインライターより、最新情報を随時発信しています。

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Archive for September, 2010

スウェーデン式「わび、さび」

Monday, September 27th, 2010

「わび、さび」という概念は、日本人でもピンと来ない人も多いかもしれません。お茶の世界ではとても大切な考えで、武野紹鴎や千利休が好んだのが「わび茶」でした。紹鴎は備前焼や信楽焼きを好み、利休は楽茶碗を創出させました。どちらも装飾の少ないわびの世界にピッタリのものです。私の中での「わび、さび」は、自然に近い状態のものでしょうか。木の枝や石の形、落ち葉そのものにわびの風情を感じます。
そんな日本ならではの「わび、さび」の分かるスウェーデン人がけっこういるようです。インテリアコースでも「わび、さび」をテーマにしたクラスが人気を呼んでいます。時々スウェーデン人の顔をした日本人か、と思うくらい、この国の人たちに日本的なものを感じることがあります。わびの精神を理解しようとし、近づこうとする人たちは、どのようなものをわびと考えているのでしょうか。画像のインテリアを見ると、そのままの木や石など自然界にあるものを使い、色彩はほとんどありません。新しいものではなく、古いものを小物に使っています。なかなか分かっているではないでしょうか。こういったものに美しさを見いだせる感性の持ち主たちをなんだか身近に感じます。
華美なものでなく何気ないもの、少々欠けたものやいびつなものに風情を感じた利休ですが、博物館で見た利休の茶杓は、真ん中に穴のあいた竹を使ったものでした。そしてその銘が「虫食い」。虫のあけた穴さえも風情にしてしまう利休の感性に感銘しました。自然が行ったことはすべて風情と考えるのもいいな、と思ったひとときでした。先日虫食いであけてしまったセーターの穴も一種の風情なのかな、と思うことにしています。

投票に行ってきました

Sunday, September 19th, 2010

本日はスウェーデン総選挙の投票最終日です。投票日は本日ですが、事前投票も可能で、今回はすでに200万人以上が事前投票を済ませているそうです。事前投票は郵便投函や図書館などで行います。
現在の与党であるMかそれ以前にずっと政権を握っていたSか、いったいどちらになるのでしょうか。Mはどちらかというと金持ち優遇政策で、Sは福祉政策で社会的弱者の見方です。弱者の見方というと聞こえがいいですが、弱者は怠け者も含まれてしまい、真の弱者のみを救うことだけにつながりません。まじめに働いている人たちの不服を買い、4年前に政権交代となりました。今回は新政権になって初めての総選挙です。今の政権になって福祉的な部分がだいぶ削減されてきました。それまで楽々と手当をもらっていた人たちがそうはいかなくなりました。一方で競争社会になり、街全体が活性化したように思います。どちらの政権が正しいのかは一概に言えません。どちらも正しいし、どちらも正しくありません。いちばん辛い立場なのは一般市民でしょうか。どちらが政権を握っても重税を免れませんから。
私の亡き父親の遺言でもある「投票は国民の義務」。成人を迎えてからほぼ欠かさずに投票に行っていました。日本で家族と暮らしていた時は皆揃って投票に行き、帰りにランチを一緒に食べた記憶があります。投票というと家族行事という思い出がありますが、海外に暮らすようになってからは、在外投票に必ず行っています。スウェーデンでは移民にも一部投票権があるのは有り難いことです。こういった国民の義務は必ず果たしたいものです。

アートなお買い物

Sunday, September 12th, 2010

先日はイッタラでアートワークス2010のリリースがありました。60〜70年代に活躍し、今年復刻された人気のガラスウェア、カステヘルムをデザインしたオイヴァ・トイッカのコレクションが発表されました。今年はオイヴァ・トイッカがアラビア、イッタラグループで仕事を始めて50周年となります。彼の美しいガラスのアートシリーズは、うっとりするような観賞用で、とても手に入れられるような代物ではありません。店頭には彼が1972年にデザインしたガラスの鳥シリーズも飾られており、そちらにはすっかり引き込まれてしまいました。鳥が好きな人は多く、今でも変わらない人気シリーズだそうです。トイッカ氏本人も会場に来ていて、今購入すると彼の名前を彫ってもらえる、ということで、ついアートなお買い物、つまり必要なものではなく、鑑賞用の贅沢品を衝動買いしてしまいました。衝動買いと言っても、ものを見る目は養われていると思っています。しかも作家本人が直接サインを入れてくれるとあっては、このチャンスを逃すわけにはいきません。上記画像の中の1点の鳥をお買い上げしました。トイッカ氏の名前と日付を本人自ら彫ってもらい、家宝になりました。

アートなお買い物は無理かなと思う方でも、マグカップだったらお手軽ではないでしょうか。トイッカ氏の50周年を記念して、トイッカバードのイラストが入ったマグカップがイッタラから発売されています。シンプルなデザインと鳥のイラストがとても気に入りました。

グロービッシュのススメ6 リスニングの学び方

Friday, September 10th, 2010

英語を話す上で、いちばん初めにつけるべき力はリスニングかもしれません。聞き取ることができなければ話すこともできません。これは子供が言葉を学ぶのと全く同じプロセスです。子供は大人たちが話している言葉を身体で理解していき、そのうち大人のまねをしながら話すことを覚えます。大人も同じように英語のリスニングを身につけるべきなのですが、あれこれ考えすぎてしまいなかなか身に付きません。また、英語と日本語は音やリズムが全く異なりますので、聞き取れるまでに少々時間がかかります。
カタカナ音がリスニングの妨げになる場合があります。カタカナ音で理解していると、英語の発音を全く聞き取れません。私が最も聞き取れなかった発音は「マリリン・モンロー、キャメル、三宅一生(イッセイ・ミヤケ)」です。マリリン・モンローは「メウリンマンウォウ」、キャメルは「カモ」、イッセイ・ミヤケは「イシミヤキ」と聞こえました。カタカナ音と全く異なる音で、何度聞いても聞き取れなかった言葉です。ネイティブが揃ってそう発音するので、音を理解して聞き取れるようになりました。
最も確実なリスニングは英語が母国語であるネイティブの人が話している英語を聞くことですが、日本に暮らしている場合はなかなか難しいものです。そこで私がいちばんお世話になったのは、NHKのラジオ英語講座です。ラジオ講座はレベルに合わせて様々なコースがあります。テキストは購入せず、ラジオやウェブの音声のみを聞くようにします。日本語解説が多いのですが、それも併せて全て聞き取りのみに集中してみて下さい。字を見ない、ということがこの練習でいちばん大切なことです。
英語は日本語のように、一句一句はっきりと発音しません。日本語は高低の音のつながりですが、英語は強弱がはっきりしてリズムがあります。前置詞は聞き取りが難しく、リエゾンという前の音と混ざって音が変わることが多いので、どのように音が変わるかを知らないと聞き取れません。まずは短いフレーズから聞き取る練習をすることをおススメします。意味はともあれ、聞き取ることに集中して下さい。また、100%聞き取る必要はありません。60%くらい聞き取れれば、だいたいの意味は推測できます。画用紙に色を入れていくように、聞き取れるフレーズ(色)を入れていく感じです。初めは真っ白ですが、そのうち緑が入れられるようになり、赤が入れられるようになり、黄色が、青が、と入れられる色が増えていく感覚です。聞き取れる単語の数が増えれば、聞き取る力も伸びて行きます。同じ音を何度も聞き、脳に音を植え付けます。リスニングは考えるより、身体で覚えることが大切です。

お気に入りのお茶箱

Sunday, September 5th, 2010

鬼のように忙しかった8月が終わり、やっと少し自分の時間が持てるようになりました。先日は3ヶ月も休んでしまったお茶のお稽古に行ってきました。やっぱり瞑想のひとときは大切です。仕事のことばかり考えていては煮詰まるので、たまには仕事を忘れ、無の境地に浸りたいものです。
私の好きな言葉に「継続は力なり」があります。これは語学学習を初め、いろいろなことに当てはまります。私にとってはお茶のお稽古もそうでした。お稽古が辛いと思ったこともありましたが、そんな時は少し時間を置いたり、別のことをやったり、とりあえず少しずつでもお稽古だけは続けるようにしました。そうしているうちにお茶の世界にのめり込み、ついに上級の許状をいただくまでになりました。今では自らお茶に関わるいろいろなことを知りたいと思うようになり、その奥深さに感銘を受けています。
先日のお稽古では、今の季節らしくお茶箱の月点前を習いました。お茶箱は私が唯一揃えている道具です。今年の春に日本に帰った時に一目惚れした鎌倉彫のお茶箱を使い、至極のひとときを過ごしました。気に入った道具でお稽古ができることほどうれしいことはありません。ついつい道具を皆に見せたくなってしまいました。
そんな中で、道具を特に喜んで下さった方は、年配のスウェーデン人女性でした。昔日本に住んだことがあり、日本が大好きで、お茶のお稽古も細々と続けている方です。道具についての説明にいちいち納得して下さり、なんて美しいの素敵なの、という言葉に本当にうれしくなりました。秋に日本に旅行に行かれるということで、お茶箱をあれこれ見てみたいとのことでした。地方ごとの伝統工芸のお茶箱はいろいろありそうなので、私も機会があれば見て回りたいものです。
中秋の名月には月点前の集まりをしましょう、ということで、お茶仲間の持ち寄りでお月見を楽しむことになりそうです。お月見に合うお菓子をどうしようか、と今からあれこれと考えるのも楽しいひとときです。