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Vol.82 (2006/10/05) |
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本日のデザインは、ミッドセンチュリーの巨匠グラフィックデザイナー、オーレ・エクセル氏についてです。 先月ついにエクセル氏の本がピエブックスより発売されました。エクセル氏の作品を中心に、インタビューに基づいたいろいろなエピソードも盛り込まれ、エクセル氏についてより親しみの持てる内容になっています。 オーレ・エクセル氏は1918年3月22日にダーラナ地方で生まれ、ストックホルムとウプサラで育ちました。少年の頃から絵を描くことが好きで、第二次世界大戦開戦の年に開校したアートスクールに入学し、世界大戦の終わった翌年にはその当時からグラフィックデザイン先進国だったアメリカに留学します。その時代に大西洋を渡ることは新しい世界を見ることでもありました。 アメリカから帰ったエクセル氏は、アメリカで出会ったポール・ランド氏らのすばらしいグラフィックをスウェーデンにも広めたいという思いから、国立美術館での展示会を提案します。 フリーランスという立場を貫いたエクセル氏は、経験の浅い若い頃から積極的に出版社を訪問しました。憧れのデザイナーの本を持参して「こういう仕事をしたい」と出版社に持ちかけ、仕事をもらったそうです。 彼の転機は1956年にマゼッティが公募した品質を保証する意味を持つ「ココアアイズ」のロゴに優勝したことです。その後マゼッティの広告全般を引き受け、商品名から広告やパッケージまで全てを担当しました。彼の斬新なアイデアは広く受け入れられ、マゼッティの知名度もあっという間に上がったのです。しかしちょっとした行き違いで親しかったマネージャーが社を去ると同時に彼も仕事を辞め、後には採用されなかったアイデアが 大量に残りました。それは今でもその当時の状態のまま自宅の棚に眠っているのです。
エクセル氏の生涯のパートナーであるルーセルさんは、今では目のほとんど見えなくなったエクセル氏のお世話をしていらっしゃいます。とても精力的な彼女は、自宅で眠っているだけのエクセル氏のすばらしい作品をもっと世間にお見せしたいと奮闘しています。ウェブサイトも立ち上げ、世界への発信を試みています。
未発表の作品もたくさんあり、エージェントを探していますので、ご興味のある方はぜひご連絡下さい。 今年は本と同時にマークス社より2007年のカレンダーも発売されました。1939年21歳だったエクセル氏がお小遣いほしさに描いたストックホルムのポストカードは、当時はどこも採用してくれませんでしたが、60年後の1999年にエクセル氏の大規模な展示会がスウェーデンで開催された記念にポストカードとなりました。その後また姿を消してしまいましたが、そのイラストが 本やカレンダーにもお目見えしています。
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エクセル氏が描く鳥は、ファンタジーから生まれた個性的なキャラクラーばかり。もうひとつのお得意なモチーフはペン。
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