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Vol.63 (2005/12/20)
北欧アンティークのアクセサリー

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本日のデザインは、ミッドセンチュリーのテーブルウェアをアレンジしたアクセサリーです。


ベルショ(左)とアダム(右)がモチーフのペンダント

スティグ・リンドベリを代表する北欧ミッドセンチュリーのテーブルウェアは国際的に大人気です。日本でもレア物はコレクターアイテムとして価格も上昇しています。

そんな人気デザインの破片をアレンジしたアクセサリーが、最近ひそかなブームを呼んでいます。私がこのアクセサリーに出会ったのは、ストックホルムのあるアンティークショップでした。 テーブルウェア以外でリンドベリのデザインを見るのは初めてでしたので、新鮮な驚きがありました。

リンドベリの作品でも、ベルショやプルヌスなどいくつかのパターンがあり、同じベルショの葉っぱでも使う場所によって印象が異なるので、どれにしようかとても迷いました。結局ベルショの4つの葉っぱのオーソドックスなものにしました。このまっすぐな破片は、カップではなくプレートから取った のかなと想像しながら身に着けました。

その後、スティグ・リンドベリの本を手がけたギセラ・エロンさんとミッドセンチュリーのグスタヴスベリ工房を放映する映画会場で会った時、彼女の指にリンドベリのリングがあるのが目に留まりました。

私自身もベルショのペンダントを身に着けていたので、お互いに「あっそれ。やっぱり今日の放映にはピッタリだよね。」となりました。実際このペンダントを身に着けてどこかに出かけると、いろいろな人に声をかけられます。やはりスウェーデンでは多くの人にとってなじみのあるパターンなのですね。

ペンダントの他、ブローチ、リング、ブレスレット、カフス、ネクタイピンもあり、女性、男性を問わず身に着けられるものが揃っています。


モンアミ(左)とベルショのロゴ(右)のブローチ


ベルショのカフス(左)とピンタのブレスレッド

 


ペンダント、リング、ブローチ、カフスなどがある

デザイナーのセシリア・クラーソンさんは南西スウェーデンのヨーテボリ地方を拠点に活躍する元看護師さんです。10年前、できるだけ子供たちのそばにいたいと思い、自宅でできる仕事を模索していました。そして独学でアクセサリーデザイナーとして製作に励み、ミッドセンチュリーの人気デザインの破片をアクセサリーにするというアイデアを思いつきました。

当初は看護師の仕事との両立で大変でしたが、徐々にアクセサリーが売れ始め、アクセサリーデザイナーとして独立することができました。今ではスウェーデン中のアンティークショップや博物館に卸しています。家にあるアトリエでアクセサリー作りに追われていますが、 最近はいちばん上のお嬢さんが仕事を手伝ってくれているそうです。

「世代を超えて伝えられる古い陶磁器は、過ぎ去ってしまった時代を思い起こさせ、ノスタルジックな気持ちにさせてくれます。老若男女を問わず、誰もが気軽にこのアクセサリーを身に着けて 、古きよき時代に思いを馳せてくれたらと願っています。」
とセシリアさんはひとつひとつ心を込めてアクセサリーを手がけています。

このアクセサリーを作るため、セシリアさんはさまざまなアンティークショップを訪ね、壊れてしまったテーブルウェアを手に入れ、美しいアクセサリーとしてよみがえらせています。大切なテーブルウェアが壊れてしまっても、このように 新たな形でよみがえり、自分の身に着けることができるのであれば、デザインは永遠といえるかもしれません。

有名なデザインも人気がありますが、あまり有名でなかったデザインに新しい発見があるそうです。


いろいろなペンダント