アイ・ラブ・スウェディッシュデザイン

 

トップページ     バックナンバー    メルマガ登録     最新号

 
 

創刊号 Vol.01 (2002/12/02)
スウェーデンのサンタクロース、ユールトムテ

to Vol.02


TOMTAR&TROLLのユールトムテ

数あるメルマガの中から「アイ・ラブ・スウェディッシュデザイン」に登録していただき、ありがとうございます。スウェーデンは福祉大国として有名ですが、スウェーデンのデザインのすばらしさも広く知られています。 しかし、日本では北欧とひとくくりにされがちで、スウェーデンとしての情報が少ないとの声をよく聞きますので、現地からの情報をメルマガを通して発信してみようと思い立ちました。 北の彼方の地スウェーデンですが、少しでも身近に感じていただけたら幸いに思っております。

さて、記念すべき創刊号のご紹介グッズは、クリスマスも近いので、スウェーデンのサンタクロースです。サンタクロースはスウェーデン語ではユールトムテ(Jultomte)と言います。 スウェーデンの伝統的なサンタクロースは赤い服ではなく、地味なグレーの服を着ていて、北欧の妖精トロルと同じように考えられています。 その伝統的なトムテストーリーやスウェーデンのクリスマスについてご紹介します。

【トムテストーリー】
その小さな生き物は、スウェーデンにある農場や人々の家の近くで暮らしています。人々が彼らに敬意を払い親切にすれば、彼らも人々を事故や災害から守ってくれます。 しかしもし彼らを無視したら、いたずらをし返されてしまいます。クリスマスの前夜、人々は彼らのために家の外に温かい食べ物を置いておきます。 翌日食べ物がなくなっていたら、それはトムテがやってきて食べたのです。そして、次の年はいい年になると言われています。

 

 

【手作りのユールトムテ】
このストーリーそのままのユールトムテに出会えるのがTOMTAR&TROLLです。 TOMTAR&TROLLはストックホルムのガムラスタン(旧市街)に1993年にオープンしました。 ユールトムテはすべて手作りで、ひとつひとつ心をこめて作られています。顔もひとつひとつ手描きなので、表情が微妙に違っています。 グレーの布切れを身にまとったトムテにはハデなところが全くありません。顔はちょっとはにかみ家な感じですが愛嬌があります。 このスウェーデンのサンタクロースは、大柄でほがらかで真っ赤な服を着たサンタクロースとはまったく違った印象を受けます。 こんなシャイなサンタクロースがそばにいると、なんとなくホッとしませんか。事実、みんなを災害や事故から守ってくれるのです。

【スウェーデンのクリスマス】
スウェーデン語でクリスマスはユール(Jul)といいます。メリークリスマ スは、グッユール(Gott Jul)です。スウェーデンのクリスマスデコ レーションは至って質素で、人々はアパートの窓辺にキャンドルを飾る程度で す。そして、多くの家ではクリスマスツリーを飾っています。本物のモミの木 なので、部屋中がとてもいいにおいで充満します。 クリスマスの食事はユールボード(Julbord)といいます。クリスマス テーブルという意味ですが、冷たい前菜、温かい前菜、メイン、デザートがビ ュッフェ式になっているスモルガスボードのクリスマス版です。

【クリスマスマーケット】
ストックホルムの中心地ガムラスタンにある大広場では、毎年恒例のクリスマ ス市場が開かれます。この市場では、クリスマスのオーナメントやクリスマス のディナーで食べるハム、トナカイのソーセージなどが売られてます。クリス マスに欠かせないグロッグ(Gloegg)という温かいスパイシーワインや ジンジャークッキーも売っています。寒くなると、このグロッグが身体を心か ら温めてくれます。そして、砂糖を絡めた温かいアーモンドもクリスマスを感 じさせるグッズです。それをほおばりながら市場を歩き回ると、あぁ、今年も クリスマスがやってきたなぁと実感します。

ワラで作られたヤギ(ユールボッ ク)やオーナメント、モミの枝で作られたリースなども手作り感があります。 12月のストックホルムは午後3時には真っ暗になってしまいます。そんな暗 い午後の街に浮かぶクリスマスツリーやキャンドルに灯るオレンジ色のランプ は、街をとても神秘的に演出してくれます。

【家族で祝うクリスマス】
各家庭のクリスマスツリーの下にはたくさんのプレゼントが置いてあります。 これを開けるのは、クリスマスイブの夕方です。家族が集まり、クリスマスデ ィナーをすませると、家族の1人が急に用事ができたといって外に出かけます。 しばらくすると、ドアのベルがなり、サンタクロースが訪ねてきます。「いい 子はいるかな?」といいながら部屋に入ってきて、クリスマスツリーの下に置 いてあるプレゼントをみんなに配ります。プレゼントにはそれぞれ受け取る人 の名前が貼ってあるのです。みんなのプレゼントを配り終わるとサンタクロー スは帰っていきます。そしてその後出かけていた人が戻ってきて、みんなに 「今サンタクロースが来たところだったんだよ。見逃しちゃって残念だったね。」 と言われます。本人も「それは残念なことをした。」と言いますが、誰がサン タクロースだったかはもうお分かりですね。