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Vol.06 (2003/02/20) |
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本日ご紹介するデザインは、ストックホルムを拠点とするスカンジナビア最大の工業デザイン企業「エルゴノミデザイン」です。人間工学をきわめたデザインは美しいという信念を持ったエルゴノミデザインは、1969年に設立され、その当時から高齢者や障害者のための器具を開発してきました。使う人の行動力を高めると 共に満足感も得られる製品作りを目指し、デザインの理想と現実を追求してきました。2002年10月には日本にエルゴノミデザイン・ジャパンがオープンしています。 スウェーデンは早くから高齢社会に突入し、高齢者や障害者がより自立した人間らしい生活をするために役立つモノ作りが追求されてきました。国家政策としても、高齢者、障害者に関わらず、誰もが自立した生活を送れることを目指してきました。厚生省が運営している「Swedish Handicap Institute(スウェーデン・ハンディキャップ研究所)」が設立されたのもそのためです。スウェーデン・ハンディキャップ研究所では、障害者がより良い生活を送れることを目標としており、社会参加や自立のための機能的な補助器具を開発する企業をバックアップしています。 エルゴノミデザインも、スウェーデン・ハンディキャップ研究所との共同作業により、障害者のための器具を開発してきました。使う人の立場に立った使い勝手、そしてただ機能的なだけではなくデザインもエレガントというすばらしい製品を作り出してきました。エルゴノミデザインのエンジニアの半分はデザインの学校出身者というほど、デザイン開発にも優れた人々がそろっているのです。機能性を高めたものはおのずとそのデザインも美しくなる、というエルゴノミデザインの信念は、世界的に広く受け入れられています。エルゴノミデザインと共同開発をして世にでた商品はたくさんあり、大変なヒットを生んでいます。 ハンドツールの世界的企業Bahcoとエルゴノミデザインとは、この20年で350以上のツールを共同開発してきました。誰にでも使いやすい機能的なツールは世界中で愛され、さまざまなデザイン賞も受賞しています。
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1995年に開発された歩行補助車。高齢者や足の不自由な人々が自立した社会生活を送れるために重要な補助器。使いやすく、疲れた時に腰を下ろせるようになっている。折畳式で 扱いやすいブレーキ、作りも頑丈。
溶接工のための、呼吸ができるヘルメット。厳しい職場環境の中で長時間作業をする人々のための器具作りから始まったプロジェクトは、数百人の溶接工の作業状態を細かく観察してアイデアが練られました。その結果作られたヘルメットは、人々の満足を得られる製品となり、エクセレント・スウェディッシュデザイン賞も受賞しています。 その他の製品をご覧になりたい方は、エルゴノミデザインのウェブサイトをご利用下さい。英語版です。
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