アイ・ラブ・スウェディッシュデザイン

 

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Vol.19 (2003/09/05)
ヨナス・ボリーン インタビュー裏話

to Vol.20


ヨナスは作品を作る時、人の期待を裏切るのが面白いといいます。人々が思いもよらない作品を作りたいのです。だからコンクリートのようなハードな作品の後に、チュールランプのようなソフトな作品を作ったりします。そのどちらもがヨナス自身なのです。

 

デビュー作品「コンクリート」フロアランプ「LIV」

10月に東京のスウェーデン大使館を中心に開催される「スウェーデンスタイル・イン・東京」。それにちなんで発売される「Swedish Style」(立風書房)の取材の一環でヨナス・ボリーンに話しを聞く機会を得たので、そのオモシロ裏話をご紹介します。詳しいインタビュー内容は、9月末発売予定の本誌をご覧下さい。

ヨナス・ボリーン。
今、スウェーデンを代表するデザイナーといえば、筆頭に名前があがるでしょう。最近の代表作は、2002年ベストインテリアデザイン・ゴールド賞を受賞したストックホルム・アーランダ空港のVIPラウンジ、そして南アフリカのスウェーデン大使公邸です。

インタビューの当日、私たちは約束の時間よりもちょっと早めにショールームに到着すると、奥のオフィスからヒョイと本人がコーヒーを片手に現れました。 巨匠デザイナーに会う緊張感で心臓がバクバクしていたのに、いきなりの本人の登場にちょっとビックリしました。そして、あまりの普通のオジサン姿になんだか不思議な気分でした。 笑顔で握手を求めてきた彼を見て、緊張感がいっぺんに吹っ飛んでしまいました。
「今コーヒーを入れるからちょっと待って」。
てっきり専属のアシスタントがそういったことはするのだと思っていました。 まさか巨匠自らが私たちのコーヒーを入れてくれるなんて、またまた驚きです。

彼には別れた奥さんとの間に6歳になる息子がいます。シングルファーザーでもあるヨナスは、6歳の息子と一緒にいる時間を何よりも大切にしたいと言っています。 別れた夫婦が子供の面倒を交代で見るのはごく当たり前のスウェーデンですが、ヨナスの場合は忙しい元奥さん(巨匠より忙しい元奥さんっていったい??)に代わって、彼が70%くらいの割合で息子の面倒を見ているそうです。

「子供と一緒に過ごす時間はとても貴重だ。本を読んでやったり、日本で買った折り紙を一緒にしたり、なるべく家で過ごしているんだ。遊園地に行ったり、サッカーを見に行ったりすることはほとんどない。もちろん家にコンピュータゲームも一切ない。 手を動かしたり頭を使ったりすることが小さな子供にとって大切なんだ。彼は折り紙が大好きだよ。折り紙がない時は、コピー用紙を折って家中が紙だらけになるんだ。できるだけ一緒にいてやることで、どれだけ彼を愛しているかを身をもって伝えたいんだよ。」 彼の意外な子煩悩ぶりが伺えました。お子さんはおひとりですかの質問に「知っている限りではね。あと7人くらいいてもいいんだけど・・・」だそうです。

ヨナスは今まで2回日本に行ったことがあります。初めて行った時は、日本の建築家たちの前でレクチャーをする機会がありました。レクチャーの最後になぜかスウェーデン語の歌を歌うことになってしまいました。 でもそれがとても受けたので、次回日本に行く時は日本語の歌を歌おうと思いました。そして2度目に日本を訪れた時、「赤とんぼ」を歌ったのです。 日本人の前で日本民謡を歌うのにはちょっと抵抗がありましたが、前夜の寿司屋でそこにいたお客さんに歌ってもらって練習しました。ヨナスの歌う赤とんぼはもちろん大うけです。 味をしめたヨナスは、スウェーデン王と王妃も出席するロイヤルアカデミー・ファインアートのディナーパーティの席でも赤とんぼを歌い、王様ご夫妻にもおおいに気に入ってもらったそうです。

 

スツール「Karusell」

巨匠デザイナーとして、雲の上の存在だと思っていたヨナス・ボリーンは、実に人間くさい、自分の揺るぎない信念を持った人でした。そして人を愛することが何よりも大切だというヨナスは、一緒にいる人をとても温かい気持ちしてくれます。

最後に、ヨナスのポートレートはいつも気難しい顔をしているから、もっとコワイ人かと思ったと言ったら、「写真を撮られる時はいつも画鋲の置いてあるイスに座るんだ。だからそれが突き刺さっている顔になるんだ。」というオチャメな返事が返ってきました。

初めて会ったヨナスはとても気さくなオジサンという印象でした。巨匠デザイナーであることをオクビにも出さず、とても自然体です。どんな立場の人も自然体でいるのは、実にスウェーデン的だと思います。

ヨナス・ボリーンのウェブサイトはこちら

 
オマケに憧れの巨匠とのとっておきの
ツーショット写真をご披露しちゃおう。