1954年にグスタヴスベリ社の仲間入りをしたリサ・ラーションを見出したのは、当時アートディレクターであったスティグ・リンドベリだ。リンドベリはリサがアートスクールの卒業制作で手がけた花びんを気に入り、グスタヴスベリへ誘ったのだ。
グスタヴスベリ社で楽しく仕事をしていたある日、リンドベリはリサが手がけた子ネコを見かけ、そのユニークな顔と誇らしげにピンと上を向いた尻尾が印象に残った。このタイプの作品に手をかけてみることを勧め、キツネやウマなども加えて「小さな動物園(Lilla
Zoo)」が仕上がった。リサのデビュー作とも言えるこのシリーズは、その後世間の注目を浴びることとなる。
自分自身の投影でもあるという丸みを帯びたリサの作品は、どこか懐かしく、人々をホッとさせてくれる愛嬌がある。日本の陶器や楽焼きが好きというリサは、昔の日本のような素朴さこめた温かさを表現している。
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