ニルスの摩訶不思議な旅

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第10回 スウェーデン人が英語がじょうずな訳

2002.9.17

前回のSwedish Designのエッセイで、日本にもIKEAがオープンする予定とご案内したところ、お問い合わせをいくつかいただきました。IKEAは今年の2月に日本への大規模な店舗進出を公表しました。4、5年以内に東京近郊に2店舗、 その後関西方面にもオープンする予定とのことですが、それ以上の詳しい内容 はまだ発表されていません。低価格商品とコンパクトリビング(限られたスペー スの住まい)のアイデアを売り物にしているIKEAのコンセプトは、現在の日本の市場にもマッチしますし、IKEAスタイルの合理的で遊び心にあふれた店舗ができるようなので、かなり期待が持てそうです。

さて、今回はスウェーデン人はどうしてみんな英語がじょうずなのだろう、という素朴な疑問にお答えしたいと思います。スウェーデンに来られたことのある方、多くのスウェーデン人が英語を難なく話すことに感心した経験はありませんか。スウェーデンの公用語はスウェーデン語ですが、ほとんどのスウェー デン人は流暢な英語を話します。しかも、ネイティブのようなクセのある発音 やスラングの多い英語ではなく、とても聞き取りやすく、分かりやすい表現で 話します。英会話の練習をしたい人には、アメリカやイギリスのネイティブ英 語よりも、スウェーデン英語はお勧めかもしれません。

スウェーデン語と英語はとてもよく似ているので、わりと楽に話せるようにな るともいえますが、それでも他のヨーロッパ諸国と比べてスウェーデンは格別です(北欧諸国はわりとみんな英語ができるようです)。スウェーデン人は中学生くらいですでに日常会話に困らない程度の英語力が身についているようです。 年配の方は苦手な方もいるようなので、現在の英語教育がすばらしいということでしょうか。

そこで、どうしてこんなにみんな英語が上手なのかと尋ねてみました。すると多くの答えは、英語に触れる機会が多いからだ、ということでした。特にテレビ番組は、アメリカやイギリスで制作された英語版が多いのですが、これらは全て吹き替えではなく、字幕です。子供のころから、このような番組を見慣れているうちに、発音や表現が自然と身につくらしいのです。小学校では4年生くらいから本格的な英語の授業が入ります。初めのうちは会話程度の文字の大 きな教科書を使いますが、年々文字は小さくなり、7年生(日本の中学1年生) になると、大人が読むような内容の教科書にも入っていきます。進度がかなり 速いように思います。そして、高校生になると、大人と同様に会話ができるようになっています。第2外国語としての英語のレベルは、国民全体としてかなりのものになっています。たまに英語の話せない人に遭遇することもありますが、その人は間違いなく移民です。では、スウェーデン人が語学に優れているのかというと、別にそういう訳ではないようです。日本語や中国語など、まったく異質の言語の習得には、やはりかなり苦労するようです。ですから、そのような異質の言語が話せる人はかなり少なくなります。

日本で生活していると、英語に触れる機会って悲しいくらい少ないですよね。 言葉は慣れですので、その言葉に触れる機会が少ないと、習得するのにとても 苦労します。日本でもテレビ番組の字幕を増やすなど、もう少し英語を聞く機会が増えればいいのにと思います。2ヶ国語放送じゃ、どうしたって日本語で見てしまうでしょう。字幕っていうのがミソなんですよね。