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第24回 最終章 デザイン大国、スウェーデン
2004.4.20
2001年9月から連載させていただいたスウェーデンからのエッセイは、今回を持ちましてしばらくお休みさせていただきます。今までのご愛読、どうもありがとうございました。
スウェーデンは福祉と並んでデザインのレベルも高い国です。日常生活をよりよくするためのよいデザインは不可欠だという考えがあり、北欧家具や北欧デザインとして日本で知名度があります。スウェーデンでは
来年の2005年をデザインイヤーに認定し、「もっとデザイン」を合言葉にデザインイヤーに向けていろいろなプロジェクトが企画されています。国をあげてのこのイベントは、デザインプロジェクトやキャンペーンに力を入れ、スウェーデンが世界のデザイン先進国となることを目指しています。よいデザインは経済効果も高めると考えているスウェーデンでは、すでに公共施設によいデザインを採用することにより、人々によい生活環境を与えてくれています。
デザインとは家具や携帯電話など形のあるものだけではなく、子供の遊び場、道路、職場環境、仕事のスケジュール、サービスなど、いろいろな場面にも当てはまります。よいデザインによって私たちの生活環境が躍進的に改善されることもあるのです。不満だったことが満足に変わったり、遠い存在と思われていたことがとても身近になったり、関係ないと思っていたことに興味を持ったり、ライフスタイルそのものをよくしてくれるのがデザインの根本的な考え方です。パブリックスペースの改善ももちろん当てはまります。学校、病院、交通機関などももっともっと便利で使い勝手がよくなるべきです。
スウェーデン政府自ら、人々のデザインに対する知識や関心を高めることに力
を入れ、そしてそのことにより文化や芸術、経済の発展や環境保護の向上につなげていきたいと考えています。そしてデザインイヤーでは、様々なイベント
やプロジェクトを通して私たちのライフスタイルにデザインがどのように浸透するべきかを示してくれるのです。
2005年はイケアジャパンがオープンする予定の年でもあります。イケアはまさしくよいデザインの代表的企業で、価格そのものもデザインであると明言しており、優れた商品をお手ごろな価格で提供することもよいデザインと考えています。
特に子供家具やオフィス家具が充実しているイケアは、子供自身がほしいと思うような夢のある、そして安全性の高い子供家具や、通常はとても高価な高さが調整できるコンピュータデスクなどをお手ごろ価格で提供してくれます。イ
ケアにはセールスマンはいません。その代わりインスピレーションのための様々なタイプのモデルルームを紹介し、お客様が自分自身で想像力を膨らませて自分の部屋作りができるようお手伝いをしています。
小さな子供や高齢者、ハンディキャップのある人々などが使う品々にもデザイ
ン性が行き届いています。使い勝手がいいのはもちろんですが、楽しくなるようなポップなカラーやエレガントなシェイプは、持っているだけで幸せな気持ちになります。老若男女、誰にでも手の届く機能的で美しいもの、それがよいデザインなのです。
『ニルスの摩訶不思議な旅』はしばらくお休みしますが、スウェーデンのデザ
インをお伝えしている『アイ・ラブ・スウェディッシュデザイン』のメルマガ
は毎月20日に配信しています。スウェーデンのデザインに興味のある方は、ど
うぞこちらをご覧下さい。
http://www.mag2.com/m/0000100992.htm
出たっきり邦人、欧州編はもちろんまだまだ続きます。欧州在住の逞しい日本人の方たちのエッセイは私自身も元気をもらっています。海外に暮らすことは思ったほど楽じゃないけれど、自分らしく生きられるという自由な環境に暮らせることには幸せも感じます。これからも元気な出たっきり邦人のエッセイを楽しみにしています。読者の皆様もどうぞたまには励ましのメールでも出してみてあげて下さい。今後とも出たっきり邦人をどうぞよろしくお願い致します。
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