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第21回 ノーベル賞の晩餐会
2003.12.16
12月10日はスウェーデンにとって毎年の大きなイベントの日です。ノーベル賞授賞式と晩餐会の日です。この日はノーベル賞が始まるきっかけとなったアルフレッド・ノーベル氏の命日
です。ダイナマイトを発明したアルフレッド・ノーベル氏が残した莫大な遺産を元に、ノーベル賞の母体となるノーベル財団が
1900年6月29日に設立され、第1回目の受賞式は1901年12月10日に行わました。
昨年2002年は2人の日本人が同時に受賞し、中でも普通の会社員であった田中耕一氏の人気がものすごいものだったことは皆様の記憶にも残っていることと思います。今年は日本人の受賞者がいないので、日本でのノーベル賞報道はほとんどされていないようで
すが、今年の受賞者の中で最も注目されたのは平和賞のシリン・エバディ氏でしょう。女性受賞者が極端に少ないノーベル賞で、しかもイスラム教徒の女性初めての受賞なので、かなりの注目度で
す。ちなみに平和賞の授賞式はストックホルムではなく、ノルウェーのオスロで行われます。
さて今回は、イベントとしてのノーベル賞についてお話ししたいと思います。ノーベル賞受賞式はストックホルム市内にあるコンサートホールで、その後の晩餐会は市庁舎で行われ
ます。この日はスウェーデン人にとってもなんとなくソワソワしてしまう特別の日です。学校等ではノーベル賞についての話しがされたり、受賞者についてあれこれ話題にな
りますが、いちばん一般的な話題はこの日の晩餐会出席者の装いとディナーのメニューです。授賞式には王室ファミリーが出席されますが、今のスウェーデン王室には2人のプリンセスと1人のプリンスがい
ます。3人とも20代で最も美しく輝いている年代であり、特にプリンセスたちの装いやゴシップはいつも世間の注目の的となります。ノーベル賞受賞式と晩餐会はテレビ中継され
ますが、テレビに最も映っているのは受賞者ではなく彼女たちではないかと思うくらいです。
そしてノーベルディナーのメニューも毎年の話題となります。メニューは当日まで公表されません。料理は前菜、主菜、デザートの順で運ばれ、シャンパンやそれぞれの食事に合った飲み物がサービスされ
ます。この運ばれ方もちょっとしたパフォーマンスで、200人のサーバーたちが片手にひとつずつの料理を乗せ、列を
なして階段から降りてきて、30メートルあるテーブルに沿うように入場してくるのです。
今年の前菜は、キャビア添えチーズケーキ、クレイフィッシュとニシン、キュウリ添えの塩漬けサーモン、サラダ菜とマスタード、アーティチョーククリーム添えのクレイフィッシュが小分けに美しく盛られたものと、1993年のドンペリヨン
・シャンパンです。主菜は、ホロホロチョウのグリルと温野菜、1996年
のシャトーマレスコ・ワインです。デザートはアーモンドトッピングのコーヒーババロア、コーヒースポンジとパンチ、チョコレートリキュールとデザートワインです。晩餐会に使われるディナーの食器は全てローストランド社の「ノーベル」というシリーズで、ゴールドで縁取りされた美しいテーブルウェアで
す。このシリーズはノーベル賞のために特別にデザインされたものです。
ところで、この毎年の晩餐会のメニューは、晩餐会が開催されるストックホルム市庁舎にあるレストランで食することができます。このレストランにはノーベルディナーというメニューがあり、ノーベル賞用の食器が使われ
た各年のディナーを、シャンペンからデザートワインまで全く同じメニューで提供しています。
ストックホルムに来た折には、ノーベル賞受賞者になった気分でノーベルディナーを食するのもいい記念になるかもしれません。
ちゃんとノーベル賞メダル(チョコレート製)もいただけます。この「ノーベル」と
いう食器シリーズ販売されています。
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